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涌井 隆; 高岸 洋一*; 二川 正敏
Materials, 16(17), p.5830_1 - 5830_16, 2023/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Chemistry, Physical)水銀ターゲット容器は、陽子ビームの入射に伴い、キャビテーション損傷を受けるため、キャビテーションバブルの位置や衝撃圧力分布の不確実さを考慮して、モンテカルロ・シミュレーションを用いたキャビテーション損傷を予測する手法を提案した。本手法では、個々のキャビテーション気泡の崩壊に起因する衝撃圧力の分布はガウス分布とし、衝撃圧力の最大値の確率密度分布は3種類の分布: デルタ関数、ガウス分布、ワイブル分布と仮定した。衝撃圧力の分布を記述する方程式の2つのパラメータについて、実験から得られたキャビテーション損傷の分布とシミュレーションから得られた累積塑性ひずみの分布を比較し、ベイズ最適化を使用して推定することができた。また、ワイブル分布を用いて得られた結果が、他の結果に比べて、実際のキャビテーションエロージョン現象を再現することが分かった。
Im, S.*; Jee, H.*; Suh, H.*; 兼松 学*; 諸岡 聡; Choe, H.*; 西尾 悠平*; 町田 晃彦*; Kim, J.*; Lim, S.*; et al.
Construction and Building Materials, 365, p.130034_1 - 130034_18, 2023/02
被引用回数:6 パーセンタイル:67.49(Construction & Building Technology)Nanocrystalline calcium-silicate-hydrate (C-S-H) is a typical heterogeneous material with a multiscale structure spanning a wide length scale from angstrom to micrometer, and whose structure is determined by the Ca/Si ratio. In this study, we directly applied compressive loads on synthetic C-S-H pastes with Ca/Si ratios of 0.6-1.2 and investigated their mechanical properties using the elastic modulus calculated at three length scale levels (i.e., angstrom to nanometer, micrometer, and millimeter) via in-situ synchrotron X-ray scattering, nanoindentation tests, and strain gauges, respectively. Further, Si nuclear magnetic resonance spectroscopy was conducted on the C-S-H pastes to elucidate the alterations in the silicate polymerization. The experimental results confirmed the deformation behavior of the C-S-H paste with different Ca/Si ratios under external loading, which was demonstrated to be transferred from the surface of the pastes to particles owing to the presence of multiscale pores.
渡辺 力*; 高木 毬衣*; 下山 宏*; 川島 正行*; 小野寺 直幸; 稲垣 厚至*
Boundary-Layer Meteorology, 181(1), p.39 - 71, 2021/10
被引用回数:6 パーセンタイル:45.38(Meteorology & Atmospheric Sciences)速度場とスカラー場に対する二つの分布関数を用いた格子ボルツマン法を用いて、植生キャノピー内およびその上部における、パッシブスカラを含む流れのラージエディ・シミュレーションを実施した。植物キャノピーが分散型シンクとして機能するトップダウンスカラーの場合、キャノピー上面のスカラー流束は、はるか上方から発生するキャノピーへ侵入する流れ(スイープ)により決定される。一方で、キャノピーからスカラーが放出される現象は、キャノピー上部で発生する渦により引き起こされる。本論文では、この様な渦の発生は、キャノピー上方からの大規模なスイープと、キャノピー内部の幅広い範囲での放出現象が接近することで引き起こされることを明らかとした。
植木 太郎
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.267 - 279, 2017/03
被引用回数:8 パーセンタイル:60.93(Nuclear Science & Technology)過酷事故の炉心溶融の際に生成される二酸化ウラン・コンクリート混合物の臨界性評価に関連して、ワイエルシュトラス関数に基づく確率論的乱雑化モデルを構築し、モンテカルロ法臨界計算の不確かさを検討した。中性子実効増倍率の評価値には、無視できない揺らぎが生じることがわかった。
柴本 泰照
JAERI-Research 2005-016, 127 Pages, 2005/08
高温の融体の表面に注がれる水の沸騰は、融体中に水が侵入することで伝熱面積が拡大することとあいまって、高効率の熱伝達を提供する。本研究は、融体中に水が強制注入される場合(冷却材注入モード)について、融体と水との間の力学的・熱的相互作用を支配する現象を解明し、将来の工業上の応用に資することを目的としている。同現象は冷却材注入モード以外の他の燃料-冷却材相互作用(FCI)の結果として生じることも指摘されており、FCI素過程の解明に資することも期待できる。本研究では、実験的なアプローチとして、高速度撮影中性子ラジオグラフィ並びに新たに開発したプローブを採用し、融体-水-蒸気混相流の可視化と計測を行った。このような手段によっても、実験的に得られる情報には依然として限界があるが、関連現象から得られる知見との比較を含め、実験データの詳細な分析を行った。その結果、本現象の特徴である高効率な熱伝達を安定に達成させる条件について、安定性を支配する因子を明らかにし、その成立条件を示すことに成功した。さらに、本現象のような流体自由表面の移動を伴う現象の解明に有用な、界面付近の速度場・圧力場を界面形状の時間変化から算出する方法を開発した。
上島 豊
PSE Book, p.69 - 82, 2005/03
さまざまな困難性を伴う発見探査的大規模シミュレーションを支援するためには、超並列計算機(スーパーコンピュータ),ファイルサーバ,バックアップサーバ,解析サーバ,データベースサーバ,Webサーバなどの各種専用サーバを連携して作業を行わせる大規模データマネージメントシステムが必要である。このシステムにより、多くの作業が自動化され、WebからのJOBの投入監視,リアルタイムモニタリングやシミュレーションデータのデータベース化を実現できる。このようなデータマネージメントシステムは、大規模シミュレーションの出力から創造的な結果を見いだすためにより効率的にかつ研究者の負担を小さい環境を提供するためのものであり、その意味で問題解決環境:PSEと呼ぶのにふさわしいシステムである。
内海 隆行*; 矢部 孝*; Koga, J. K.; 青木 尊之*; 関根 優年*
Computer Physics Communications, 157(2), p.121 - 138, 2004/02
被引用回数:13 パーセンタイル:51.45(Computer Science, Interdisciplinary Applications)光量子科学の一環として開発されている高強度・短パルス・短波長レーザーを原子へ照射する際のイオン化現象を利用して、高調波発生,X線レーザー発振,高Z多価イオン源といった応用が期待されている。強レーザー電場中のイオン化ではイオン化安定化などの非線形現象が支配的となるが、この解析には通常の摂動論的手法の適用には限界があり非摂動論的手法の開発が重要となる。近年では、非摂動論的手法として時間依存シュレディンガー方程式を直接解く手法が最も有効な手段であると認識されはじめている。本論文では、流体方程式などの双曲型偏微分方程式の数値解析手法として開発された3次補間擬似粒子法(CIP)を基底関数の観点から再構成することにより、時間依存及び非時間依存シュレディンガー方程式の高精度数値解法としてCIP-BS法を提案する。CIP-BS法は、偏微分方程式及び境界条件を一意的に帯状対角行列のみを用いた離散方程式に変換し、計算効率を向上させることができる。本手法の有効性を調和振動子,平面波,クーロン場,morseポテンシャル場における解析により示す。また、この手法がさまざまな物理現象を記述する偏微分方程式の汎用的数値解法としての拡張性を有することを述べる。
Mironov, M. I.*; Khudoleev, A. V.*; 草間 義紀
Plasma Physics Reports, 30(2), p.164 - 168, 2004/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Fluids & Plasmas)高エネルギー荷電交換計測により、水素様不純物イオンによる水素イオンの中性化によって生成される高速原子の分布関数を決定することができる。分布関数を得るためには、プラズマ中でのターゲットイオンの成分と空間分布を知る必要がある。荷電交換標的粒子は、不純物原子核と加熱用中性粒子ビームとの相互作用で生成される。中性粒子ビームと計測装置との位置関係に基づき、ターゲット粒子の軌跡を計算する必要がある。実際のトカマク配位での不純物イオンのバランスを構築する原子の基礎過程を考慮するモデルが提案されている。JT-60Uプラズマへこのモデルを適用する。荷電交換原子束の形成機構を調べた。荷電交換束への異なったビーム入射装置の相対的な寄与を評価した。計算結果に基づき、固定した分析器を用いたイオン分布関数の局所的な測定の方法を提案する。
高橋 知之*; 武田 聖司; 木村 英雄
JAERI-Data/Code 2000-041, 108 Pages, 2001/01
原子炉施設等から発生する放射性廃棄物のうち、放射性核種濃度が極めて低いために、それに起因する線量が自然界の放射線レベルに比較して十分に小さく、人の健康へのリスクが無視できるものであれば、当該物質を放射性物質としての規制管理からはずすことが考えられている。この行為をクリアランスといい、その核種濃度をクリアランスレベルという。原子力安全委員会のクリアランスレベル導出にあたっては、パラメータ値に平均的な値あるいは保守的な値に対する決定論的手法が用いられた。また、決定論的手法により導出されたクリアランスレベルの妥当性を確認するため、あわせて確率論的解析を実施した。この解析を行うため、モンテカルロ法による確率論的解析コードシステムPASCLRを開発した。本報告書は、PASCLRコードの構成及び使用法について記述したものである。
神林 奨; 千原 順三
Molecular Simulation, 16, p.31 - 46, 1996/00
被引用回数:4 パーセンタイル:17.3(Chemistry, Physical)従来のカーパリネロの理論による分子動力学法とは異なった、新しい第1原理的分子動力学法(QHNC-MD法)を考案した。QHNC-MD法では、液体金属中の電子及びイオンに関する動径分布関数と有効イオン間ポテンシャルに対する量子的HNC方程式を、古典的分子動力学シミュレーションを用いて解く方法である。この方法では、分子動力学シミュレーションによって得られるイオン間分布関数と有効イオン間ポテンシャルを自己無撞着に決定することが可能である。また、QHNC-MD法による有効イオン間ポテンシャルの収束計算は高速であり、しかも、数千から数万個の規模のシミュレーションが可能である。この点はカーパリネロ手法と大きく異なる部分である。液体アルカリ金属に関するQHNC-MDシミュレーションから得られた静的構造因子は、X線・中性子線実験の結果と極めて良く一致し、従来のQHNC方程式の近似解に見られる欠点を取り除くことが可能となった。
神林 奨; 千原 順三
Physical Review E, 50(2), p.1317 - 1324, 1994/08
被引用回数:28 パーセンタイル:74.85(Physics, Fluids & Plasmas)等温アンサンブルの分子動力学シミュレーションを用いて、液体アルゴン及び液体アルミニウムのブリッジ関数の計算を行った。ブリッジ関数は液体理論における積分方程式に含まれており、従来、自己無撞着に決定できなかった相関関数である。ここでは、4000粒子及び32000粒子の計算機実験から2体分布関数を求め、この結果とHNC近似のクロージャ関係式とを組み合わせ積分方程式を解くことでブリッジ関数を計算した。この方法から得られたブリッジ関数は、シミュレーションに用いた粒子数、カットオフ半径にほとんど依存しないことが明らかになるとともに、小規模なシミュレーションによって得られた2体分布関数を遠方に外挿することに利用可能なことがわかった。また、計算機実験において避けることのできない粒子間ポテンシャルのカットオフによる2体分布関数の誤差が、本手法によるブリッジ関数を用いることで除去可能なこともわかった。さらに、2体分布関数を正確に計算することが可能となったため、第一原理的な粒子間ポテンシャルの計算への適用可能性を示すことができた。
千原 順三; 石飛 昌光*
Molecular Simulation, 12(3-6), p.187 - 195, 1994/00
被引用回数:3 パーセンタイル:14.83(Chemistry, Physical)イオン電子混合系とみなせる液体金属においては、その分子動力学を行うとき、常に2体の原子間ポテンシャルで正確に記述できることを示した(多体力は不要)。
神林 奨; 樋渡 保秋*
Molecular Simulation, 12(3-6), p.421 - 430, 1994/00
被引用回数:3 パーセンタイル:14.83(Chemistry, Physical)逆ベキポテンシァルによって粒子間相互作用が記述されるソフト球モデルについて、粒子数13,500個の等温分子動力学シミュレーションを実行した。このシミュレーションによって得られた2体分布関数を用いて、液体の分布関数理論において重要なブリッジ関数を数値的に計算した。計算結果とRogers-Young(RY)近似およびMHNCS近似とを比較したところ、RY近似では、過冷却領域における振動的なブリッジ関数の特徴を再現できないが、MHNCS近似では、この特徴を非常によく再現していることが明らかになった。RY近似およびMHNCS近似の違いは、前者に基本ダイアグラムによって示される粒子相関が含まれておらず、後者に含まれている点である。シミュレーションから得られた結果は、過冷却状態において、基本ダイアグラムによって表される粒子相関がきわめて重要であることを示している。
石飛 昌光*; 千原 順三
Journal of Physics; Condensed Matter, 5, p.4315 - 4324, 1993/00
被引用回数:7 パーセンタイル:42.58(Physics, Condensed Matter)液体金属カリウムを原子核と電子からなる混合系とみなし、イオンの構造を決定し、イオン-イオン、イオン-電子の相関関数を計算した。その結果は極めて良く実験と一致する。
神林 奨
JAERI-M 92-181, 126 Pages, 1992/12
逆べきポテンシャルによって粒子間相互作用が表されるソフト球モデルに対して、液体理論の積分方程式と等温分子動力学シミュレーションを適用し、平衡状態にある過冷却液体の構造・熱物性・動的性質を求め、得られた結果がポテンシァルパラメータのとり方に対してどのような依存性を示すか考察した。積分方程式を用いた解析では、熱力学的自己無撞着近似の1つであるRY近似と新たに提案したMHNCS近似を用いて、過冷却液体の構造と熱物性を求めた。RY近似の結果にKacポテンシァルと呼ばれる引力の効果を取り込むことにより得られた温度・エントロピー曲線から、極度の過冷却領域では、液体が安定に存在しないことがわかった。また、MHNCS近似の結果は、コンピュータシミュレーションの結果ときわめて良く一致し、過冷却液体の構造的特徴が基本ダイアグラムによって導かれることを示した。2成分溶液の相分離に対する安定性や、1成分液体の動的性質をソフト球モデルによって計算した結果、柔らかい芯のポテンシァルが液体アルカリ金属の性質に対応し、堅い芯のポテンシャルが液化不活性気体の性質に対応することが明らかになった。
久語 輝彦; 中川 正幸; 土橋 敬一郎
JAERI-M 92-117, 70 Pages, 1992/08
MOX燃料、可燃性毒物等の導入によるPWR炉心及び燃料の高度化・多様化により、炉心及び集合体内非均質性が増大する。燃料棒毎の出力分布を評価するために、現行にPWR炉心の非均質詳細メッシュ2次元XY拡散炉心計算と1次元軸方向拡散炉心計算を組み合わせる方法に代わり、集合体計算と3次元粗メッシュ炉心計算を組み合わせ、燃料棒毎の出力分布の再合成を行うことが要求されている。NEANSCの「Power Distribution Within Assemblies」と題するベンチマーク問題の主要な目的は、粗メッシュ炉心計算に基づき詳細メッシュ出力分布の再合成手法の精度を検証することにある。本報告では熱中性子炉系の核計算コードSRAC及び多群モンテカルロコードGMVPによる計算解により、集合体計算手法、粗メッシュ計算手法及びスプライン関数を利用した粗メッシュ炉心計算に基づく再合成手法の計算精度について検討した。
大野 英雄; 古川 和男
First Inter.Symp.on Molten Salt Chem.Technol.,J-315, p.449 - 452, 1983/00
イオン性液体中でのイオンの分極・変形効果(可変形イオン模型-deformable ion modelと呼んでいる)は、アニオン・カチオン半径の和(r+r)およびそれらの比(r/r)とならんでアルカリハロゲン化物液体の構造・物性を支配する重要因子の一つである。すでに、融点における体積変化ならびに動径分布函数の第1ピーク位置に関して、イオンの分極・変形効果の重要性を証明してきた。本稿では、イオン性液体の動的挙動を最もよく代表し、また測定精度が高い電気伝導度に関して、最近の新しいデータをもとに考察を試みた。
松井 浩; 渡辺 宏道*; 国分 守信
JAERI-M 8757, 41 Pages, 1980/03
放射線管理データを解析する場合、種々のデータが分布則に従っているかを決定することは重要なことである。それぞれのデータの従う分布則を判別する一つの方法として、種々の確立紙上における異なる分布関数グラフの形状を把握することにより、分布則を定性的に判別する方法を検討した。特に、利用し易い対数正規確立紙上でのグラフの形状およびデータの統計処理過程で得られる情報をできる限り利用して分布則を確定する方法を示した。
依田 修; 栗山 将; 小田島 晟*
Journal of Applied Physics, 49(11), p.5468 - 5472, 1978/00
被引用回数:17大量の線照射によって非晶化したポリエチレンの分子間短距離秩序性をX線散漫散乱の解析により検討した。動経分布関数の計算から、非晶ポリエチレン中には分子間に20程度の秩序が明らかになった。線照射量、照射雰囲気、熱処理等の条件による秩序性の変化について検討した。
千原 順三
Progress of Theoretical Physics, 60(6), p.1640 - 1652, 1978/00
被引用回数:14水素プラズマを、陽子電子の混合系として10,10,610,610固/cmの密度の場合、いくつかの10Kのオーダーの温度で、量子力学的なHNC方程式(QHNC)を用いて動径分布関数を計算した。陽子・電子の分布関数は、昔から古典的な取扱いでは発散を生じることが知られているが、この方法によるとQHNC方程式にともなうSchroedinger方程式を解くことで自動的にこの発散は防がれる。同時に水素プラズマ中における電子の陽子による束縛エネルギー準位も計算された。10,10,610,610個/cmの密度で各々3.310,4.810,5.410,5.910K近くで、水素分子の形成を示す山が陽子・陽子の相関関数に現れる。またプラズマのこの温度への接近は、電子の束縛エネルギーの変化が大きくなることで観測されることが予測される。低密度高温領域では、QHNC方程式からある条件の下に導かれる量子力学的Debye-Hiickel方程式で、束縛エネルギー準位・相関関数を、ともに正しく計算できることを示した。